Screaming Frog SEO Spiderは、テクニカルSEOの定番ツールです。サイトをクロールしてリンク切れを検出し、メタタグを監査し、サイト移行時のチェックリストを一気に片付けてくれます。機能のひとつとして、HTMLソースを解析してGA4やMeta Pixelなどのトラッキングタグがページにあるかどうかを確認する「タグ検出」もできます。
このタグ検出は便利ですが、「タグがHTMLに存在する」ことと「タグが正しく発火し、正しいコンバージョン値を送り、同意状態に応じて適切に動作する」こととは別の問題です。この違いこそが、Screaming FrogとConversionOKの境界線です。
この記事では、両ツールの得意分野を正直に整理します。どちらを選ぶべきか、あるいは両方使うべきかを判断する材料にしてください。
比較表
| 比較項目 | Screaming Frog | ConversionOK |
|---|---|---|
| アプローチ | HTMLソースをクロールしてタグの有無を検出 | 実ブラウザでページを読み込み、タグが発火するかをテスト |
| 対応プラットフォーム | HTMLに記述されたあらゆるタグ | GA4、Google Ads、Meta Pixel、TikTok Pixelなど |
| セットアップ | デスクトップアプリをインストール、クロール設定 | URLを入力するだけ。インストールもタグマネージャーへのアクセスも不要 |
| 同意状態テスト | 非対応 | 同意あり/なしの両方でテストし、同意モードの動作を検証 |
| 値・通貨チェック | 非対応 | コンバージョン値、通貨、イベントパラメータを検証 |
| 重複検出 | ソースコード内の重複タグIDを検出可能 | ネットワークリクエストレベルで重複発火を検出 |
| 料金 | 無料版(制限あり)/年間 259ポンド(フル版) | 無料プランあり/モニタリング向け有料プラン |
| 最適な用途 | サイト全体のSEO監査とタグの棚卸し | コンバージョン計測がエンドツーエンドで正しく動くかの検証 |
Screaming Frogが得意なこと
Screaming Frogはコンバージョンテストツールではなく、フル機能のSEOクローラーです。その本領で評価するのが公平です。
包括的なSEO監査
リンク切れ、リダイレクトチェーン、メタディスクリプションの欠落、タイトルの重複、hreflangの設定ミス——Screaming Frogは1回のクロールでこれらをまとめて検出します。サイトリニューアルや技術的負債の棚卸しでは、最初に手に取るべきツールのひとつです。
大規模なタグ棚卸し
数千ページをクロールし、どのページにどのトラッキングタグが入っている(あるいは入っていない)かを一覧できます。「リニューアル後、全ページにGA4タグが反映されているか?」を確認したいなら、Screaming Frogは素早く答えを出してくれます。
SEO業界での信頼と実績
Screaming Frogは10年以上にわたりSEO業界で使われてきたツールです。解説記事やワークフローが豊富で、SEOエージェンシーやコンサルタントとの共通言語になっています。
ConversionOKが補う領域
Screaming Frogのタグ検出はHTMLレベルで動作します。ページのソースコードを読み、タグのコードがあるかどうかを確認します。ConversionOKはブラウザレベルで動作します。ページを実際に読み込み、JavaScriptを実行し、ネットワーク上で何が起きるかを監視します。
HTMLスキャンではなく、実ブラウザでの実行
タグがHTMLにあっても、発火するとは限りません。JavaScriptエラー、同意管理プラットフォームとの競合、GTMのトリガー条件の不一致など、タグが実行されない原因はいくつもあります。ConversionOKは外部のリアルブラウザでページを読み込むため、ソースコードのスキャンでは見逃す障害を検出できます。「設置済み」と「発火している」がなぜ別物なのかは、GA4タグの確認方法で詳しく解説しています。
コンバージョン値とパラメータの検証
ECやリード獲得では、コンバージョンの「発火」だけでなく「値」が重要です。タグが発火しても値が間違っていれば、ROAS計算やスマート入札が静かに壊れます。ConversionOKは各コンバージョンイベントに付随する値、通貨、トランザクションIDを実際に検証します。コンバージョン値の最適化で悩んでいるなら、この検証レイヤーが必要です。
同意状態のテスト
GDPRをはじめとするプライバシー規制の下では、ユーザーの同意状態に応じてタグの動作を変える必要があります。Screaming Frogは同意状態をシミュレーションせずにクロールします。ConversionOKは同意あり・なしの両方でページをテストし、同意モードが正しく設定されているかを検証できます。EUトラフィックを扱うサイトにとって、これは必須の確認項目です。
広告プラットフォームへの対応
ConversionOKは、広告予算に直結するタグのために設計されています。Google Adsコンバージョンタグ、Meta PixelとConversions API、TikTok Pixel、GA4のeコマースイベント。存在確認ではなく、正しいイベント名、コンバージョンラベル、パラメータが送信されているかを検証します。Google Adsのコンバージョンが記録されない問題に直面しているなら、ConversionOKが原因を特定します。
どちらを選ぶべきか
正直な答えは「それぞれ解決する問題が違うので、両方使うチームも多い」です。
Screaming Frogを選ぶ場面: 包括的なテクニカルSEO監査が目的のとき。リンク切れ、リダイレクト、メタタグの分析はScreaming Frogの領域です。タグ検出機能は「デプロイの漏れがないか」を確認するのに便利ですが、機能テストの代替にはなりません。
ConversionOKを選ぶ場面: コンバージョン計測が「本当に動いている」ことを確かめたいとき。「動いている」とは、実ブラウザでタグが発火し、正しいイベントと値を送り、同意状態に応じて適切に振る舞い、重複発火していないことです。広告を運用していてコンバージョンデータの信頼性を担保したいなら、ConversionOKがその問いに答えます。
両方使う場面: 大規模サイトで「全ページにタグがあるか(Screaming Frog)」と「そのタグが正しく動くか(ConversionOK)」の両方が重要な場合。全ページにタグがあっても値が間違っているのは、一部のページでタグが抜けているよりもむしろ厄介です——値の誤りは気づきにくいからです。
よくある質問
Screaming Frogでタグの発火を確認できますか?
いいえ。Screaming FrogはHTMLソースを読み取ってタグの存在を確認しますが、JavaScriptを実行しません。そのため、タグが実際に発火するか、正しいパラメータが送信されるか、同意モードが機能しているかは確認できません。動作テストには、実ブラウザで検証するツールが必要です。
両方のツールが必要ですか?
ワークフローによります。主にSEOの健全性を管理していて、タグの配置漏れを確認したいだけならScreaming Frogで十分なケースもあります。一方、コンバージョンが発火しているのに記録されない、あるいは値がおかしいといった問題の切り分けには、ConversionOKが直接的に対応します。SEOと広告運用の両方を担当するチームは、両方を使い分けていることが多いです。
ConversionOKはSEOクローラーの代わりになりますか?
なりません。ConversionOKはSEOツールではなく、リンク切れやメタタグ、ページ速度のチェックは行いません。外部ブラウザからコンバージョン計測が正しく動くかに特化したツールです。SEOツールの「代替」ではなく「補完」と考えてください。
まとめ
Screaming Frogは「タグがページにある」と教えてくれます。ConversionOKは「そのタグが正しく動く」と教えてくれます。どちらも重要な情報ですが、答えている問いは根本的に異なります。HTMLではタグが正しく見えるのにダッシュボードのコンバージョンがゼロ——そんな経験があるなら、この違いの重要性はすでに実感しているはずです。
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